耳の病気のための検査

耳の検査には耳垢検査、耳鏡検査、オトスコープ検査など様々な検査があります。
耳垢は耳の中の環境維持、異物の侵入を防ぐ役割があるため、健常な状態でも作られます。耳の中に炎症が起こると、耳垢は病的に増加し、耳の中の環境を悪化させます。
耳の疾患として代表的なものが外耳炎、中耳炎。根本的な治療をすることにより、繰り返しを防ぐことも可能です。

外耳炎・・・耳の中に炎症が起こっている状態。炎症は鼓膜から中耳、内耳(ないじ)に及ぶこともあります。
中耳炎・・・中耳に起こる炎症で、症状は外耳炎とほぼ同じになります。外耳炎の症状の悪化でも起こります。
内耳炎・・・外耳炎・内耳炎の症状の悪化や腫瘍の可能性も考えられます。

こんな症状が出たら相談へ

耳を痒がる、臭う、耳垢が多い、耳(頭)をよく振る、耳漏(膿)が出る、耳や頭を触ろうとすると嫌がる
外耳炎・中耳炎が治らない

原因は何?

耳ダニ、細菌・真菌(マラセチアなど)の増殖、アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・耳の中に植物の種が入った など

かかりやすい犬種は?

垂れ耳の犬種

レトリーバー、ダックスフンド、シーズー、パグ、スパニエル、など

耳に毛が密に生えている犬種

テリア、プードルなど

検査方法

耳垢検査
細菌・ダニなどの寄生虫・真菌を採取した耳垢を顕微鏡で見たり特殊な染色液で染めて調べます。

耳鏡検査

耳鏡で耳道の様子をみます。

耳内視鏡(オトスコープ)

耳鏡よりも鮮明に耳道の様子を確認でき、細かい観察ができます。

注意事項

外耳炎は治療せず放っておくと、中耳、内耳に炎症が広がり、進行すると脳神経まで影響を及ぼし、頭や体が傾いたり、目が揺れたり(眼振)する場合もあります。放っておくと耳の穴が塞がってしまう可能性もあり、その状態で時間が経つと、通常の治療では元に戻せなくなり、手術が必要になる場合もあります。
痒がる様子や耳や顔を振る様子などが見られたら、早めの受診・治療をおすすめします。