アレルギー検査とは?

アレルギー検査は採血した血液を用いてアレルゲンに対する反応を調べる検査です。この検査でアレルギーを診断することはできない点に注意が必要ですが、今朝結果をもとに治療方針に反映させることができます。
主にアレルギー反応を疑う皮膚のかゆみや下痢、嘔吐などの消化器症状、さらには呼吸器症状を伴う犬や猫が対象となります。
 
 

主にアレルゲンとなる物質

食物(タンパク質など)、カビ、ハウスダスト、植物、ノミ、ダニなど
 
 

代表的なアレルギー症状

皮膚症状(かゆみ、脱毛など)、消化器症状(下痢、嘔吐、軟便など)、呼吸器症状(咳、くしゃみなど)、眼の症状(充血、目ヤニなど)
 
 

主なアレルギー検査の種類

◇食物除去試験と食物負荷試験
特定の食物を与えないで行う食物除去試験で症状の緩和がみられたのち、元の食事に戻し、食物負荷試験を行い、症状が再び現れることで食物アレルゲンを特定できます。試験には日数がかかり、行われている期間中、指定された食物しか与えることができません。
ただし食事由来のアレルゲンを特定する上では最も大切な検査になります。

◇アレルゲン特異的IgE検査
アレルギーの原因となる環境中に存在するハウスダストや植物などや食物中のアレルゲン物質を特定するための基本的な検査です。アレルゲンとなっている可能性の高い物質を検出することができます。犬の場合、この検査でIgEが検出された場合、犬アトピー性皮膚炎(CAD)、症状はそれと同じですがIgEが検出されなかった場合は犬アトピー様皮膚炎(CALD)と判断します。
 
◇リンパ球反応検査
IgE検査では判明しないが、リンパ球が反応する食物アレルゲンを検出する検査です。食物アレルギーの中にはIgEを介さないものもあります。抗原に特異的に活性化するリンパ球を調べることでアレルゲンを特定することができます。
 
◇アレルギー強度検査
アレルギーの程度を知ることができる。非アレルギー性皮膚炎の可能性を除外したい場合や投薬量の決定、治療の経過観察を行いたいときに実施します。リンパ球の活性化がみられる食物を与えないようにすることでアレルギー反応を抑えることができます。
 

アレルギー症状に対しての治療・体質改善にはどういうのがあるの?

◇犬アトピー性皮膚炎
完治することはないので、かゆみをとるお薬の服用やスキンケアとしてシャンプーを定期的に実施するなど対処療法が行われます。原因となるアレルゲン物質に接触させないことや、二次的にマラセチア皮膚炎などの感染症にならないように対処します。
アレルゲンによっては減感作療法や腸内フローラの調整により体質改善を行うことで良好な結果が出る場合もあるため担当の獣医師と相談してみるとよいかもしれません。

◇食物アレルギー
食物除去試験と食物負荷試験に基づいた食事を与えて、アレルゲンの曝露を最小限にします。何らかの症状を伴う場合は、別途症状に合わせた対症療法を実施します。
 
◇ノミ症/ノミアレルギー性皮膚炎
ノミを駆除する薬を用います。
 

まとめ

この記事ではアレルギー検査の種類やそれでわかることを解説しました。アレルゲンとなる可能性のある物質は屋内にも屋外にもたくさん存在します。いつも食べている食事の中にもその子にとってはアレルゲンとなる物質が含まれているかもしれません。おうちの子に皮膚のかゆみや下痢などアレルギーを疑う症状が現れたらなるべくはやく動物病院に相談しましょう。